トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

屋根屋は人手不足を訴える前にやることがある。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

この間、同業者の先輩たちとリモートで話しているときに、みんなが口をそろえて「人手不足だ」と言っていました。求人を出しても来ないので、外国人の実習生に頼っているみたいな人ばかりで。僕はそもそも外国人の実習生という制度自体に反対なので、一切、制度を使う気はないし、何なら人を増やそうとも思っていないので、人手不足なんて考えたこともないんですけどね。

屋根の業界が人手不足(?)なのには、いくつかの原因があると思います。一つは給料が安いこと。ちょっと人を多めに雇っているところのは、単価の低い仕事を、数を回して少ない利益をかき集めるような状況なので、新入社員にまともな給料を払えないんじゃないと思います。

もう一つは、仕事がつまらないこと。うちは屋根材としては、よほどのことが無い限り、瓦しか触りませんが、多くの屋根屋は板金や化粧スレートがメインになっています。ああいう仕事って、面白くないんです。単価が低いので、とにかく早くやる必要があり、流れ作業みたいで、職人らしさが無い。板金屋さんであれば、屋根以外で面白い仕事があっても、屋根屋は屋根のみなので、やりがいが無いんです。

そしてもう一つは暑くて寒く危険であるということ。

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ある日の天気予報

最高気温が5℃で風速11メートル(体感温度は-6℃!)という予報の中で、高さ7メートルを超えるハシゴを上り下りするんです。

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足場を掛けるか、高所作業車を使うかできれば良いのですが、それが不可能な現場も多数あります。この高さで10メートルの寒風が吹きつけてくる恐怖と寒さ。慣れているとはいえ、うんざりします。これで仕事にやりがいがなくて、給料が安いなんて、一体、誰が働こうと思うんでしょうかね。

うちは職人らしい、それなりに面白くてやりがいのある仕事もあるし、現状はそれなりの給料を払えますが、それでも危険なのは未だに解消できていません。それでもやってしまう僕にも原因があるんでしょうけどね。

 

僕たちは人手不足だという前に、まだやらないといけないことがあるんですよね。