この間のIRONMANマレーシアでは、小林さん、原さん、そして上手くいけば白井さんも世界選手権の出場権を獲得できると考えていたのに、ふたを開けてみれば三人とも獲得ならず。三人とも、もちろん他の人だって同じなのですが、めちゃくちゃ練習していました。小林さんはいつも淡々と、武士の気配を漂わせながら、着実に積み上げていき、原さんは誰かに止められないと練習を止めないほど練習し、白井さんはいつも通り、下らないことばかり発しながら、凄まじい集中力を見せてマレーシアに向けて仕上げました。そんな三人の激闘を見て、惜しくも負けてしまった三人の姿を見て、僕は猛烈に悔しくて。
チームメイトで、今年の世界選手権に出場したみきちゃんも、Facebookに「誰も獲得できないって、そんなことあるの!?と思ったら悔しくて、やる気がアップ」したと書いていて、まさしく同じ感じ。
僕はなんでもできるように見られがちですが、実際はそんなこともなく、確かにどんなことでもそつなくこなしますが、それは80点くらいの感じで、90点とか95点には及ばないレベルでしかなく、表彰台とか優勝とか、1位とかっていうのには無縁な人生を送ってきました。80点なんだから合格点には達するし、最初から出来ちゃうから、デキる人だと思われるんですけど。
普通に人生を送る上で、常に80点をとれるということは、なかなか素晴らしいことで、時に満足してしまいがちなのですが、僕はずっとそれにコンプレックスを抱いてきていて、それは子どもの頃からのことで、徒競走やスポーツとか、勉強とか、全てにおいて付きまとってきたものでした。いいところまで行くけど、最後は必ず負けていました。
ところが大人になって、仕事をするようになり、自分がなかなか使えるタイプだとわかってきて、コンプレックスを持っていたことを、どこかに忘れてきてしまったようで。
マレーシアで戦った仲間たちが、悔しさとともに、昔、抱いていたコンプレックスを思い出させてくれました。
僕はコンプレックスを克服するために、頑張ってきたんだ。それを忘れてはいけない、悔しさを忘れてはいけないと。
みんなの悔しさも背負って、勝負するくらいの覚悟で戦って、結果を残せたときにこそ、少しはコンプレックスを克服できるかもしれない。僕にとっての原動力はコンプレックスなのかもしれません。