トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

「たたら製鉄」とは何だったのか?なぜ奥出雲は、日本有数の“鉄の国”になったのか?

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

https://www.kankou-shimane.com/jp/wp-content/uploads/2020/03/831-sugayatatarasannai-005.jpg島根を旅していると、神話や神楽だけでなく、もうひとつ、この土地の文化を根底から支えてきた存在に気づきます。

それが たたら製鉄です。

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オロチ神話や須佐之男命の物語の背景にもある製鉄文化。
では、そもそも「たたら製鉄」とは、どのようなものだったのでしょうか。

 


たたら製鉄とは「日本独自の製鉄技術」

たたら製鉄とは、
砂鉄と木炭を使い、高温の炉で鉄を生み出す日本独自の製鉄法です。

鉄鉱石を溶かす西洋式製鉄とは違い、

  • 川や山から採れる砂鉄を使い

  • 粘土で築いた炉(たたら炉)に

  • 木炭と砂鉄を交互に入れ

  • 数日間、火を絶やさず送風し続ける

という、非常に手間と経験を要する方法でした。

炉の中は直接見ることができず、音・炎の色・送風の感触など、職人の感覚だけが頼りです。

まさに、一発勝負の世界だったと言えます。

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奥出雲は、日本屈指の「たたら製鉄地帯」

たたら製鉄が特に盛んだったのが、**奥出雲**です。

ここは古代から近世にかけて、日本最大級の製鉄地帯として知られていましたが、その理由は、はっきりしています。


理由① 良質な砂鉄が豊富だった

奥出雲一帯の山々からは、鉄分を多く含む良質な砂鉄が大量に流れ出ます。

特に斐伊川水系では、

  • 川砂の中に自然に砂鉄が混ざり

  • 採取しやすく

  • 不純物が少ない

という、製鉄に理想的な条件がそろっていました。

これは、「鉄を掘り当てた」のではなく、暮らしのすぐそばに鉄があった土地だったと言えます。


理由② 木炭を生み出す森林があった

たたら製鉄には大量の木炭が欠かせません。

奥出雲は、

が可能な地域でした。

鉄を作るために山を使い、また山を育てる。
製鉄と森林が循環する仕組みが、ここにはありました。


理由③ 水を制御できる地形だった

たたら製鉄には、水も欠かせません。

これらすべてに、水が必要です。

奥出雲は、

  • 河川が多く

  • 勾配があり

  • 水を引きやすい

という条件を備えていました。

同時に、洪水というリスクも抱えた土地です。
だからこそ、治水と製鉄は切り離せない技術として発展しました。


理由④ 地理的条件が技術を守った

奥出雲は、

  • 山に囲まれ

  • 豪雪地帯でもあり

  • 交通の便が良いとは言えない

地域です。

そのため、近代以降も、

  • 急激な工業化の波

  • 大規模な製鉄転換

を比較的ゆっくりと受けました。

結果として、たたら製鉄は「すぐに消える技術」にならず、長く、深く、土地に根づくことになります。

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たたら製鉄は「暮らしを支える基盤」だった

たたら製鉄で生まれた鉄は、

  • 農具

  • 大工道具

  • 武器

  • 建築金物

として、地域の暮らしを支えていました。

鉄を作れるということは、

  • 土地を開き

  • 家を建て

  • 人を守る

力を持つということです。

奥出雲は、鉄によって自立していた地域だったと言えます。

たたらの聖地 - 雲南 たたらの聖地、出雲神話の里


神話と製鉄が重なる理由

オロチ神話に登場する、

  • 暴れる自然

  • それを制御する存在

  • 剣(鉄)の獲得

これらは、たたら製鉄の歴史と重なります。

文字に残すのではなく、神話や神楽という形で伝えることで、土地の経験と技術は世代を超えて受け継がれてきたのです。


まとめ:奥出雲で、たたら製鉄が盛んだった理由

  • 良質な砂鉄があった

  • 木炭を生む森林があった

  • 水を制御できる地形だった

  • 地理的条件が急変を防いだ

  • 技術が暮らしに直結していた

これらすべてがそろった結果、奥出雲は「日本の鉄の国」になりました。

たたら製鉄は、単なる過去の産業ではなく、神話・神楽・建築・瓦文化へと連なる、島根の文化そのものだったのだと思います。

 

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