トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

常滑焼の甕

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

常滑の老舗和菓子屋さんの屋根に上ってきました。防水されている屋上をぐるりと囲む塀の上に並べられている瓦が一枚、落ちて割れてしまったとのことで、修理の下見です。ついでだからということで、お客さんと屋根中を見ているときに見つけたのが、常滑焼の甕を使った水槽です。

分かりにくいと思いますが、高さが1メートル50センチほどある、でっかい甕です。確かその昔は、油を入れておくために作られて、現存していて常滑市内でも見られるのは2~3個と記憶しています。この建物を建てた当時、普通なら市販(?)の水槽を使うところを、先代の希望でこの甕を使ったそうです。下からは全然見えないから、どんなのを使っても変わらないといえば変わらないんですけどね。

常滑というのは焼き物の産地の中でも、大物を得意としている産地で、現在でも浴槽なんかを作る人がいて、そういった意味では、この甕も常滑らしさなんですね。常滑らしい大物の焼き物を、老舗の和菓子屋さんが未だに生かしているということで、感銘を受けた出会いでした。