僕が二十歳代の頃だから、もう随分と昔の話。二十年も前の話です。嫌になるね。二十歳代が二十年前だなんてさ。別に若さに対する嫉妬みたいなものは無いけど、二十歳代だったのが、二十年も前だってことが嫌になるわけです。
まあ、それは置いといて、その頃の僕は若かったので、少しくらい眠らなくても平気だったし、徹夜して仕事ってことも、たまにはあったけど、逆に何があっても朝までぐっすりと眠ることができました。
当時、とてもお世話になった、業界の歴史に残るほどの大先輩が宴会のときに「眠れないほど悩むことがあるかもしれんけど、眠らんでおって解決することなんて何もないよ。眠ったほうがええことを思いつくで、ちゃんと眠ったほうがええ」と、僕に言ってくれました。
しっかりと眠れる当時の僕には、その言葉はあまり響かず「まあ、そうですよね」くらいの感覚で受け取っていましたが、年を重ねてくると、やっぱりいろいろと有り、悩むことも出てきて、布団に入ってもグダグダと考えることが出てきました。
そんなときに思い出すのが、前述した大先輩の言葉です。そうだ。眠ったほうがいい。と、思えるように、というか、思うようにして、悩みとか嫌なことを頭から追い出し、眠るようにしました。
夜中に働かない頭で、くよくよ、グダグダと考えてみても、そんなときに良いことなんて思いつくわけがないんですよね。
もう亡くなってしまった大先輩が言ってくれたことを、大人になって実感しています。