金沢では、金沢城公園や兼六園と普通(笑)の観光もしてきました。
その中でも、屋根屋として印象的だったものを紹介します。
尾山神社の門です。鳥居の奥にあるのが門で『神門』といいます。神社で門があること自体も珍しいのですが、より珍しいのは様式です。和洋折衷というのはよくありますが、この門は和洋に加えて清の様式も加えられているそうで、言われてみるとそんな雰囲気を感じます。
ちなみに一番上には背の高いとんがりがありますが、世界最古の避雷針だそうです。僕はすっかり前田利家の兜を模したのかと思いました。だって、尾山神社自体が利家公とお松の方を祀っているんだからさ。
尾山神社自体の屋根は北陸独特の黒い瓦で葺かれています。
そして屋根屋の集りだけあって、この建物を見ながら話題は瓦に。
わかりますかね?瓦が二重になっています。地元の屋根屋である斉藤さんも理由は分からないとのことですが、おそらく谷という部分から流れる大量の水をしっかりと流し、雨漏りさせないためだろうという結論になりました。
次は朝のランニングでも見た鼠多門。
屋根は瓦じゃないし、なんかちゃっちいよねーと。斉藤さんによると当時と同じ素材の鉛で出来ているとのこと。なんで鉛なんだろう?扱いにくくないのか?なんて話していると、斉藤さんがさらに追加の説明を。鉛で作ることにより、戦になったときには剥がして鉄砲の弾として使えるとのこと!おお!さすがは幕府を上回る力を持っていたと言われる加賀藩だ!そういうことか。斉藤さん、やるじゃん!
この屋根も全て鉛で出来ているらしいです。
兼六園はすでに雪つりされていましたが、それは普通のことなので写真を一枚だけ。
そして屋根屋としては、こういう仕様も話題に。
入母屋の上の部分を蓑甲(みのこ、あるいはみのこう)と言う箇所の長さと勾配です。
うちの辺りだと、蓑甲の長さは瓦一枚分で、勾配もこんなには着けません。でも北陸に来ると、瓦二枚どころか、三枚分の蓑甲もざらにあります。たぶん雪のアレなんでしょね。屋根屋同士でこういうのを、ああでもないこうでもないと話すのが楽しい。
金沢は美しい建物がたくさんあって、しかも独特な文化も芸術的でとても深い街です。あらゆる職人が行く旅先としては、本当に面白い街だと思います。