トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

大量の蚊に命を奪われるか、それともその前に雨漏りを止めるか。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の瓦葺き師・竹内です。

 

現場で蚊に刺されました。いやもう何か所もです。めちゃくちゃたくさん刺されました。二階の屋根まで上がると、蚊はいなくなりますが、一階の屋根だといます。建物の周りに樹が生い茂り、小さな池もあるので、蚊にとっては最高の環境。そして汗をかきながら作業する男が一人。当然、蚊は襲い掛かってきます。蚊の大群、いや大袈裟だけど、大群に襲われている気分ですが、作業しないわけにはいかないので、かゆくなりながらやってきた仕事は、やっぱり雨漏りを止めること。

 

何度か書いていると思いますが、今回の作業は瓦と瓦の間に溜まった埃の除去です。

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こんなふうに埃が溜まっていると、埃が水を吸って、瓦を乗り越えさせてしまいます。わずかであれば、葺き土が吸収して建物内に入らないようにしてしまいますが、大量だったり、長時間だったりすると、土も吸収できなくなり、雨漏りに繋がります。

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今回はこれくらい×3倍くらい掃除しました。ちなみに掃除した後に、瓦を戻していくわけですが、ただ戻せば良いわけではなくて、そこにもノウハウがあります。

瓦の隙間の埃というのは、必ずしも、こんなに溜まるわけではありません。少しくらいはどんな屋根材、どんな建物でも溜まります。少しであれば影響は無いんですが、大量に溜まると雨漏りしちゃうことがあるんです。では、どんな建物だと埃が溜まりやすいかと言うと、わかりません。築50年を超えると多くなってくることは間違いありませんが、それも絶対ではないし、まったく溜まっていない建物もあります。他にも立地条件や、薪を使って煮炊きするための煙突がある台所の屋根とかもありますが、どれも絶対ではありません。絶対では無いのに雨漏りしてしまうから困ります。あらゆる条件が重なったときにだけ雨漏りするってことなんでしょうね…。

 

雨漏りの原因を100%見つけられるかと言えば、残念ながら100%ではありません。それでもなんとか原因を見つけて、蚊に襲われながらも作業して雨漏りが止まったときに、お客さんが喜んでくれるのは、職人としての喜びに繋がります。