二年くらい前から、ちょいちょい顔を出している、常滑で古民家を再生してゲストハウスにするプロジェクト『TOKORANGI』。
この日は土間のコンクリート打ちをやっていて、僕は土間打ちが終わったころに到着。土間の後に、基礎みたいなコンクリートブロックにモルタルを塗るという作業を見学。
左官屋さんに教えてもらいながら、オーナーである二人の女性が塗るものの、まったく進まず(笑) 上手な人は綺麗なのは当然として、早く、手数少なく仕上げていきます。
一方、この道45年の左官屋さんはあっという間に仕上げていきます。
角を仕上げるときは、コテを二本使っていました。なるほどなるほど。
僕が若かったころは、大工さんが躯体を建てると、左官屋さんの荒壁塗りと、屋根屋の瓦葺きがほぼ同時に行われて、左官屋さんとはよく会っていたので、荒壁塗りはよく見ていたんですけどね、久しぶりに左官屋さんの仕事を間近で見ると、とても勉強になりました。
建築業でコテを使うのは、左官屋さんと屋根屋くらいですが、屋根屋は屋根の上でしか施工しないので、左官屋さんほど、お客さんの目を気にする必要がありません。お客さんに近くから見られるというのは怖いものです。20年くらい前までは、職人の修行を始めると、まずはお客さんから見えないところを塗ったもんなんですよね。それでも緊張したのを覚えています。
近頃では少なくなってしまった、先輩職人さんとのひと時は、とても良い経験になりました。