トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

寄棟屋根の雨漏りで、多くは瓦の加工が原因だったりします。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

えー、普通の人はまったく興味がない、屋根のことです。が、ちょいちょい雨漏りの原因になるところの話です。

こういう屋根の形、斜めの部分がある屋根を寄棟といいます。

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そして、斜めの部分のことを隅棟といいます。ここからの雨漏りが意外と多いんです。この家の場合は雨漏りしていたわけではないのですが、丸い冠瓦を釘止めしている下地木が腐ってきていたので、交換するついでに、雨漏りの原因になる箇所を加工してきました。

冠瓦や下地木、土等を撤去して、出てきたのがこういう斜めに切られた半端瓦。

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矢印の箇所が大きすぎて、下の瓦よりも内側に入っています。瓦、というか、物と水は接触していると、くっついて、水を引っ張る性質があります。この場合だと、水が瓦と瓦の隙間を通って、中に入っていってしまう可能性があります。そこで、瓦を加工して、上の瓦を小さくします。

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こんなふう。実際はもっと小さくしました。他の箇所も。

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これが

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こう

その後に南蛮漆喰(モルタルみたいなもの)を塗ると

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こうして、南蛮漆喰の手前で瓦が止まることになり、水が中に入っていくことを防ぐことができます。

隅棟からの雨漏りの原因のほとんどがこれ。新築時にこういう加工をするのは簡単なことなんですけど、高度経済成長期、人手不足が顕著な時代に施工された物件だと、こういった基本的なことを知らない人が施工している物件があるのも事実です。

今回は下地木の交換のついでに加工しましたが、他にもこんなふうに撤去しなくても可能な、簡単な加工の仕方もあるので、雨漏りが止まらないっていう人はご相談ください。