僕はよく、薄型化粧スレート(カラーベスト)は長持ちしません、初期は安いけど、ペンキを塗らないといけないから、返ってお金がかかりますよー、と書き続けています。これを書けるのは、うちがカラーベストを施工してこなかったからです。
カラーベストがどうなるかっていうと、こうなります。黒い点々は雨です。
ガサガサのハゲハゲです。黄緑色のはカビです。10年か15年に一回、高圧洗浄して、ペンキを塗って、綺麗に見せる必要があります。
こんなふうに割れていることも多々、あります。これもペンキを塗ってごまかします。
軒先なんかはこんなにガサガサです。ペンキを塗ったからと言って、どうなるものではありませんよね。
うちはカラーベストを葺かないので、なかなか写真を撮る機会がないのですが、今回の台風では何件か、カラーベスト自体や棟の板金が飛ばされた家からの修理依頼があったので、撮ることができました。
ちなみにこのカラーベストはアスベストが入っていないものです。っていうか、そもそもカラーベストの『ベスト』はアスベストのベストです。アスベストによって強度を保っているので、アスベストを含んでいないものだと強度が保てないんですね。
僕が修行していた頃、25年近く前はノンアスベスト(アスベストを5%~10%含有)のものと、ゼロアスベスト(アスベスト0%)のものがあって、ゼロアスベストのものはとても高価だったので、当時、売れていたカラーベストのほとんどはアスベストを含んだものでした。つまり、日本中の家にアスベストを含んだものが乗っているということです。
家って、最低でも30年くらいは住むものです。築15年程度でこんなふうになってしまうものに、家で最も大切だと言っても過言ではない屋根を任せて良いとは思えません。
僕はノスタルジーや単なる保守的な考えで瓦を勧めているわけでは無いんです。