『スタートラインに立って思うことは、すべて終わったということ。
つらい仕事も、つらいトレーニングもすべては過去のこと。
これから始まるレースはアミューズメント。』
1982年、ハワイのIRONMAN、女子選手のトップでコナに戻ってきて、残り400mで倒れ、四つん這いになりながらゴールしたジュリー・モスさんの言葉です。
彼女の姿は世界中に影響を与え、彼女を観てトライアスロンを始めたマーク・アレンはハワイで五回の優勝に輝いています。さらにマーク・アレンはジュリーと結婚w
今回のハワイを観ていて、トライアスロンという競技の素晴らしさと難しさを、改めて感じました。
今年も盤石だと思われたフロデノが背中の痙攣で失速し、 ならば王座に返り咲くであろう存在のキーンルや、優勝候補の一人、サンダースを驚異的なランで抜き去ったランゲが初優勝。
女子はリフが史上6人目の三連覇。
トライアスロン仲間のゆみさん(ゆみたんではない)は見事に完走。みきちゃんも出場権を得てからの一年間、いろいろとあって練習ができないでいた中でも、楽しんでゴール。
ハワイに出場している選手は、全ての照準をハワイに合わせて準備してきます。
それでも当日の体調、天候、そして運が味方しないと思うようなレース運びはできません。
85歳のレジェンド、稲田さんは残念ながらバイク終了時で関門に引っかかってDNF。しかし、笑顔で来年を見据えていたとのこと。
今年の僕は一月に故障し、その故障をずるずると引きずり、コンディションが上がらないままシーズンに入り、不甲斐ないシーズンを送ってしまいました。
ハワイは無理なんだろうなとか、これからはトライアスロンも完走ベースで楽しくやればいいかなとか、いろいろと考えたシーズンでした。
でも、脚を引きずりながらも走るのをやめなかったサンダース、ランで立ち止まったり、歩いたりしながらもゴールを目指し、ゴール後はFacebookでライブ配信をたくさんしてくれた前回王者・フロデノや、ゴール後に涙を流した女王・リフ、そして稲田さんの姿。おそらく皆、故障や様々な理由で満足いかないシーズンやレースがあったはず。1シーズンがダメだったからと言って、諦めようとしていた自分の弱さに気づきました。
IRONMAN JAPANが開催されない今、ハワイの出場権を獲るには海外の大会に出場するしかなく、現状では時間的にも金銭的にも難しいんですが、それならIRONMANに出場できる機会が巡ってくるまでは国内で磨いていけば良いんですよね。
ハワイへの道のりはまだまだ遠いけど、その道を繋げるのは自分しかいないんだから。
今年のハワイを観て、本当に良かった。