日本の歴史は今年で2679年。そのうち、瓦葺き職人の仕事は約1400年の歴史があります。そして屋根誠は107年目。ある人のブログを読んでいたら「これから知識や技術から、愛や心の時代」と書かれていました。僕はいつも、この方のブログを読んで、ふむふむなるへそ、となり、自分の仕事に照らし合わせてみるんですけどね。
うちの仕事というのは、確実に『技術』なんです。瓦をはじめとして、材料は全て仕入れてきて、その材料に『技術』を乗っけて買ってもらいます。愛や心というのは美しい言葉だけど、なかなかうちの仕事に入るのは難しいのかなと、最初は思ったんです。
そりゃ、僕ら職人も食べていかないといけないし、お金を稼ぐための手段として職人をやっているということは間違いありません。それでも職人をやっていると、ときおり、お客さんからお礼を言ってもらえます。「ありがとう」という一言が、本当にうれしくて、そこには思いが見えるんです。考えてみると、新築する家に対するお客さんの思い、あるいは今の不具合を修理して終の棲家にしようという思いがあって、それを実現するのがうちの、職人の技術なんですよね。職人の技術はお客さんの思いを実現するために。