築百年くらい?もっと?の土蔵の屋根の修理に行ってきました。
巴っている瓦を吊っている銅線が切れて、雨樋で落下が止まっている状態だったのを直し
割れた桟瓦を交換しました。桟瓦は大きさが合わないので、電動グライダーで切って大きさを合わせて使います。この土蔵で使われている瓦は中深と言って、重なりが大きい瓦なので、切る部分も大きくなります。
交換するために抜いた瓦をひっくり返してみると
『尾張 知多郡 阿野村 瓦屋彦三郎』とあります。阿野村は今の常滑市阿野町のことで、この現場から1~2kmと、とても近いところです。昔は交通網も発達していなければ、自動車等の運ぶための方法もなく、ほとんどが大八車に載せて運んでいたので、全国の各村、あるいは近隣の村には必ず瓦の窯元がありました。交通網が発達し、数百キロ離れた場所にも、すぐに瓦が配送されるようになり、全国にあった瓦の窯元の多くが姿を消しましたが、本来はその地域に合った瓦を作っていた窯元の瓦を使ったほうが良いのではないかと思います。
食べ物の世界で『地産地消』という、昔は当たり前だったことが見直されるようになってから、けっこうな時間が経ちます。家や建物の世界でも『地産地消』が見直されて良い時期にきているんじゃないかと思います。