トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

二十数年ぶりにカラーベストを葺き替えで施工。なぜなら建物の耐震性が。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

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シングルカッター

写真は薄型化粧スレート(カラーベスト)を切るための道具で、シングルカッターといいます。

そうです。日頃、瓦葺き師だと言い張っている僕ですが、二十数年ぶりに薄型化粧スレート(カラーベスト)を葺き替え(古い屋根材を撤去して、新しい屋根材を葺くこと)として施工しました。うちにはシングルカッターが無いので、仲の良い同業者から借りて。

 

いつも、カラーベストは良くないよー、瓦が良いよーと書いていますが、なぜカラーベストを施工したかというと、『新築でカラーベストが施工されていた建物は、構造上、瓦を葺くことができないことがある』からです。瓦よりも軽い屋根材であるカラーベストが施工されている建物は、柱等の構造の耐震性が低くいことがあるんです。屋根を軽くしてあることにより、建物自体を弱くしても、総合的な耐震性が稼げるんですね。

全てとは言いませんが、屋根が軽くすることにより耐震性を確保しているので、カラーベストの代りに瓦を乗せると、耐震性を確保できない建物があるってことです。

 

つまり『屋根が軽い=耐震性が高いということではない』んです。なので、本来なら、今回もカラーベストではなく瓦をオススメしたかったのですが、果たして建物自体が瓦の重みに耐えられるかどうかわからなかったので、カラーベストということになりました。

 

建物の耐震性は屋根の軽さではなく、建物の構造の強さで決まるってことですね。言い換えると瓦に耐えられる建物=丈夫、瓦に耐えられない建物=丈夫じゃないかも、ってことなんです。