トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

化粧スレートや金属屋根は屋根の下地が傷む。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

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上の画像はLLP(有限責任事業組合)屋根システム総合研究所 専務理事 江原 正也さんが『空気層による屋根の長寿命化』というタイトルで、日本金属屋根協会へ寄稿した文章からのスクリーンショットです。

全文は以下から読むことができます。

http://www.kinzoku-yane.or.jp/technical/pdf/no270sp.pdf

 

このグラフは屋根材と野地(屋根の下地板)の間に空気層が有るか無いかにより、野地の温度変化に違いが発生するということを示しています。

文章の内容としては、化粧スレート(カラーベスト)や金属屋根は、瓦と比較すると温度変化が大きく、屋根裏での結露が発生するため、野地の傷みが発生するので、特別な下葺き材を使って空気層を設けましょうと結論付けられています。

重ねて書きますが、これは瓦業界の文章ではなく、金属屋根業界での文章です。

 

『台風 屋根 飛ぶ』で画像検索してみてください。

もちろん瓦が飛散している画像も出てきますが、化粧スレートや金属屋根が、野地、下地ごと飛ばされている画像のほうが多く出てきます。

瓦の場合は部分的に飛散することがほとんどですが、化粧スレートや金属屋根の場合は野地、下地ごと飛ばされることが多くなっています。これは『空気層による屋根の長寿命化』に書かれているように、10年以上にわたり屋根裏で結露が繰り返されることにより、野地、下地が腐り、台風の強風に耐えられずに屋根ごと飛ばされるという事象に繋がっているということなのです。

 

関西では阪神淡路大震災以降、屋根を軽くするために化粧スレートや金属屋根が激増しました。震災から築20年を越える建物が増えだした2018年に襲った超大型の台風により、薄物屋根材の弱さが明らかになったということです。

 

台風が巨大化してきた現在、わずか20年でこんなにも大きな被害が出てしまう、ということを瓦、金属、化粧スレートの業界は垣根を越えてきちんと検証する必要があると思います。

 

また、これから屋根材を選ぶ人は参考にして頂ければと思います。