トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

雨に対する瓦の強さの実験に立ち会って思ったこと。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

瓦の本場、三河に行ってきました。目的は瓦の漏水試験です。漏水試験というのは、簡単に言えば、雨漏りするかしないかの実験です。

 

今回は某ハウスメーカーが標準仕様で採用している瓦の試験に立ち会ってきました。試験内容は20分間にわたり、100mm/毎時以上の人工雨を降らせて、真正面から風速10m/秒の風を正面から当てるというもの。豪雨の台風に耐えられるかっていう試験ですね。f:id:yoshikixx:20180809203513j:image


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三種類の平板瓦で試験して、雨が入った瓦は無し。瓦って優秀。平板瓦でもこんな性能なんだから、和型なんて無敵ですよ。
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試験では雨漏りしているかを確認するために、野地板にあたるところをアクリル板にしてあります。実際の現場では、瓦の下地にはルーフィングという防水シートを張るので、仮に雨が入ったとしても、屋内にまで届くことはほとんどありません。瓦+ルーフィングで雨漏りしないわけではありませんが、それは施工不良だとか、何か特殊な状況が考えられます。

 

一方、化粧スレート(カラーベスト)は、ルーフィングが張られていなければ、100%雨漏りします。100%です。化粧スレートには雨を防ぐ性能はありません。言ってみれば、あれは飾りで、ルーフィングで雨を防いでいます。うちは化粧スレートを扱わないので、こういうことを書けますが、扱っているところ、施工しているところでは書けないことです。

さらに言うと、化粧スレートや板金は屋根裏の結露が凄いです。化粧スレート葺きで30年くらい経った建物の下地、コンパネなんて、結露にやられてフワフワになっています。

 

僕はネガティブキャンペーンは大嫌いなので、本当は化粧スレートの悪口なんて書きたくないし、瓦の良いところだけを書いて選んでもらいたいと思っています。でも、現在の瓦の窮状を招いたのは、「瓦は地震に弱い」という、テレビや新聞を始めとする、オールドメディアの瓦に対するネガティブキャンペーンが原因であることは間違いありません。

 

うちは化粧スレートだって板金だって施工することはできます。でも、瓦しか施工しないのは、職人として最も良いのが瓦だということを、100年以上に渡り、受け継がれる体験からも実験からも知っているからなんです。