この間のチーム練習のときに小林さんが話してくれたことで、最も心に残ったのが『脳を鍛えるつもりで練習している』という言葉でした。
トライアスロンの元全日本王者である柴田卓也せんせいから見ても、数々の大会で年齢別優勝したり、表彰台に上っている小林さんの強さ、特に精神面の強さというのは別格だということで、せんせいがその辺りを話してもらえるようにお願いしたそうです。
小林さんは普段の練習から、身体を鍛えるというよりは、脳を鍛えるつもりで練習していると言います。
脳というのは、身体が感じるよりも先に、限界を感じます。人間は潜在能力の35%程度しか、能力を発揮できないというのが、それです。身体の実際の限界には、まだ程遠いのに、脳が身体を守るために、限界だと感じさせる。痛いとか苦しいといった感覚で、身体を動かすのを止めさせようするわけです。
練習でも大会でも、確かにすぐに苦しくなるし、苦しくなるとどこかに痛みを探してしまいます。が、怪我や故障を除き、この苦しみや痛みというのは、脳が作り出した幻覚だと言われています。
なので、大会で力を出し切るためには、練習から脳が発する限界だという信号を無視したり、あるいは、まだ限界じゃないと考え、思い直すことによって、少しずつ、脳が限界だと感じるラインを上げていく必要があるわけで、それこそが練習するということの本質なのかもしれません。
小林さんが心がけていることと、本質的には違うかもしれませんが、僕はそう理解しました。
4月15日㈰の練習では半田運動公園の同じところをグルグルと20キロ。Reliveを見てもすごくつまらないw
ランの前には強度強めのバイクで、脚に乳酸を溜めてあり、さらに雨上がりの強風でペースを一定に保つことができず、メイン練習3キロ×5セットの予定の2セット目の途中で早くも限界を感じ始めたところで小林さんの言葉を思い出し、この強風ではペースを保つことは不可能だけど、ここからは脳を鍛えるつもりで走ろうと考え直し、残りの3セットとダウンの2キロを完成することができました。
キツい中で練習をやりきることができると、最初に感じた限界が限界じゃなかったことが実際に確認できて自信に繋がり、この経験を繰り返すことにより、大会で限界を感じたときに、あんなに苦しい練習に耐えてきたんだからと、諦めずに走り続けられることに繋がります。
小林さんのように強い人と一緒に練習していると、なんでこの人はこんなに強いんだろうと、つくづく感じることがあるのですが、理由がわかった気がしました。
そもそも僕がトライアスロンを始めた理由は『あの人たちみたいなかっこいい男になりたい』という思いからであり、その人たちがかっこいい理由がついに見えたのかもしれません。