ここのところ、雨漏りの修理をたくさんさせてもらっています。下見して、原因を探るまでは僕が100%やって、施工するのは僕が半分、職人が半分くらいの割合。
この屋根では原因を見つけるまで、なかなか大変でした。
この屋根の場合は、最初に施工した職人さんも、きちんと施工していたし、樋の詰まりが原因だったので仕方ないのですが、ときには初期の施工不良が原因ということがあります。その場合は、原因を見つけて、正しい施工をして、雨漏りを止めるという順を踏むわけですが、まれに雨漏りの原因が分からなかったり、見立てが間違っていて、雨漏りが止まらないことがあります。原因がわからないときは何度も足を運び、時には雨に打たれながら原因を探り、雨漏りが止まらなかったときは、違う方法で施工したりします。止めるつもりで施工したのに、止まらなかったときは本当に申し訳なくて、職人としては情けない思いをします。
本来なら、初期の施工不良の場合、情けない思いをしなければならないのは、その施工をした職人自身。なのに、その雨漏りを直せなかった時には、僕やうちの職人が情けない思いをする。これっておかしいなと感じることがあります。数十万円から数百万円で仕事を請け負い、雨漏りさせた人が何事もなかったかのようにしていて、それを直すために数万円で請け負った僕らが、お客さんに謝って、情けない思いをして…。たまに怒られることもあったりね。
雨漏りの修理っていうのは、実は雨漏りのリスクを背負うことでもあります。自分が施工したわけでもない屋根の雨漏りというリスクは、僕が下見に行ったときから、僕のリスクになるわけです。
でも、それも職人の仕事だし、ずっと悩まされていた雨漏りから解放されたお客さんの「ありがとう」という一言は、仕事のやりがいにもなるんです。