トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

雨天の屋根工事は危ないだけじゃなくてよ

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

3月に入り、一気に春になってきましたね。春は雨が多い季節です。一週間の天気がパターン化されて、週に二日くらい雨が降ったり。うちの辺りでは雨の次の日は強風が吹くので、そっちも注意必至です。

 

僕たち屋根屋というのは、基本的に日曜だけが休みなんですけど、雨天の場合も現場の職人さんは休みになります。理由は雨で瓦が濡れると滑って危ないということもあるのですが、他にも理由があります。

 

昔、瓦の下に土を使って葺いていたころは、特に作業できませんでした。瓦が濡れていると、葺き土が瓦にくっつかないんです。土自体が水分を含んでいるのに、なぜか瓦が濡れているとくっつかいない。平の部分はもちろんですが、棟は雨の日だと崩れやすくなっちゃうんです。なので、土葺きの頃は絶対に作業できませんでした。同じようなことが言えるのは、今、便利に使っているシリコンコーキングです。シリコンコーキング剤も濡れていると相手にくっつきにくいので、接着や防水としての効果が期待できなくなってしまいます。瓦だけではなく、防水という観点から見たときには、雨や濡れている状態は不向きなんです。

 

また、僕たち瓦葺き師の場合は、屋根にルーフィングを貼ったあと、墨打ちという作業があるのですが、これも濡れているとできません。朱墨や墨汁を糸にしみ込ませ、線を引いていく作業なのですが、墨が滲んだり、流れたりするので、正確な作業が出来なくなってしまうんです。

 

雨に濡れるとまともな仕事ができない上に、危険で体調も崩しかねない。というわけで、屋根屋さんは雨天をお休みにするんです。