トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

瓦は重い。だったら建物を丈夫にすれば良い。

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

「瓦から板金屋根に葺き替えしたら、家の中がめちゃくちゃ暑くなったというので、その板金の上に別の板金屋根でカバーします」というのを見ました。

 

まあ、ある程度軽いままで、暑さ対策しようと考えれば、確かに有効な手立てではあると思うんですけどね。そもそも、伝えないといけないのは、そこでは無いと思うんです。

 

板金屋根って安くないです。瓦と同じか、瓦よりも高いこともあります。瓦が値下げしすぎたっていうのもあるんですけど、決して安くはない。その安くない板金屋根を二回も葺いたら、かなり高くなります。そんなのは避けたいと思うのが普通の人ですよね。

 

耐震性を考えたら屋根は軽いほうが良いというのは間違いではありません。ただ、屋根を軽くしたからといって、それで地震に耐えられえる強い建物になるかと言ったら、一概にそうとも言えないんです。なぜなら、屋根を軽くしたからと言って、建物自体の強度が上がるわけではないからです。あくまでも屋根が軽くなっただけで、建物の強度は同じ。

 

では、どうすれば良いかというと、屋根を軽くする前に、建物自体の強度を上げるんです。壁や筋交いを増やせば、けっこう簡単に強度が上がります。おどろくほど上がります。瓦を降ろして板金屋根にするために掛かる金額よりは、確実に低いはずで、工期も短くて済みます。建物の中が暑くならなくて済みます。はっきり言って良いこと尽くめ。ましてや板金を二回も葺くお金を、建物の強度アップに使ったら、もうガッチガチの建物になるのは間違いなし。

 

僕は屋根屋なので、葺き替えの仕事はあったほうが良いです。でも、それはちゃんとした目的であってほしい。傷んでしまって、修理が不可能になった屋根を新しくすることで、また長い間、その家に住むための葺き替えであってほしいんです。

 

板金や化粧スレート(カラーベスト)の屋根は軽くても、暑くて寒い。屋根を軽くするよりも、建物の強度を上げたほうが簡単に耐震性が向上する。

この二点を覚えておいてください。