トライアスリート屋根屋、四代目屋根誠・竹内のブログ

旅好きな屋根屋でトライアスリートの竹内賀規が、トライアスロンのことやトレイルランニングのことを書くついでに、屋根のことや瓦のことを書きます。

瓦を留めている釘に注意!

トライアスリート屋根屋、常滑は屋根誠の竹内です。

 

こないだの台風被害の復旧に行ったときにも気づき、いつか書かねばならんなと思っていた状況に、また出会ったので、今日のブログに書くことにしました。

 

瓦(この場合は土を焼いて作られているもの)には何種類かあって、そのあたりは僕のブログ内を『瓦の種類』で検索してもらえれば4種類に分類して書いてあるので参考にしてもらえればと思います。

 

その4種類の中でも、今回は平板という瓦について、その中でも取り分け、棟という部分に使われている瓦を留めつけている釘についてです。

yoshikixxtri.hatenablog.com

 

棟というのは、建物の一番上、屋根でも一番上にある部分です。

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(画像は岩福セラミックスさんのHPから拝借して、書き込みました。)

 

この部分の瓦を冠瓦といって、かまぼこ状の半円だったり、三角形だったりします。これを留めつけるのに、近年ではステンレスのビスを使用するんですけど、昔は釘でした。

 

ちょっと考えてみれば当たり前なんですけど、棟は風をすごく受けます。台風のときなんて凄まじいはず。

 

ずっと風を受け続けるとどうなるかというと

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こうなります。釘が浮いてきちゃうんです。

 

35年くらい前から平板瓦が普及しだして、15年~20年間くらいは冠瓦は釘で留めるのが普通でした。僕たち職人も、試行錯誤しながら進歩しているので、平板瓦の初期というのは釘で充分だと考えられていたんです。

 

ですが、時を経て、何度も台風を経験した冠瓦を見ると、こんなふうに浮いてきてしまうんです。

 

これを放っておくとどうなるかというと、台風で冠瓦が飛んでしまう可能性があります。今回のお客さんにも「何年くらいなら大丈夫か」と聞かれたんですけど、次の台風で飛ぶ可能性は十分あります、が、何年か飛ばない可能性もあります、という曖昧な返答しかできませんでしたが、それが正直なところです。

 

現在ではビス留めが主流になっているので、よほど浮いてきてしまうことは無いと思います。

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ビス留めに変更するにはお金がかかりますが、瓦が飛んで、お隣に迷惑をかけてからでは遅いし、そっちのほうがお金がかかることがあるので、築15年以上、経った平板瓦の家に住んでいる人は、一度、冠瓦の留め付け方法を調べてもらってください。

 

ではでは。