仕事柄いろんなところで、いろんな瓦を見ます。初めて訪れるまちでは、必ず屋根を見て、どんな特徴があるかを観察するのが楽しいです。
鬼瓦にも特徴があって、愛知県はスッキリしたシンプルなのに対して、近畿より西ではふくりんという、ころんとした丸っこい、可愛らしい鬼瓦が主流になり、四国では鷹やらなんやら、手の込んだ細工が施されたドーンとしたものが多くて見応えがあります。
立派な鬼瓦になると、一個数十万円というものもあり、さすがにお客さんが躊躇してしまう気持ちもよーくわかります。
そこで、たまに提案させてもらうのが『鬼瓦の焼き直し』です。
葺き替えのときに、それまで乗っていた鬼瓦を一旦降ろし、鬼瓦を造る職人である鬼師が、もう一度焼くことで、すかすかになってしまっていた鬼瓦がギュッとしまります。
焼き直しすることで、今まで家を守ってくれていた鬼瓦が、また家を守る力を取り戻すんです。
↑うちの玄関に置いてある鬼面の鬼瓦。
新しい鬼瓦を使うだけでなく、焼き直した鬼瓦を代々、繋いでいくというのも、なかなか良いものだと思います。
ではでは。