Facebook経由で屋根について相談を頂きました。
以下、質問文ですが、そのままだと色々とアレなので、ボカします。
「○○(地名)の家なのですが、築42年の○○住宅(超大手)がトタン葺きだったものに、父が○○(超大手)の屋根材を15年くらい前に載せたものが、水を含んだ段ボールのようにガバガバになっています。何か対策方法はありますでしょうか?瓦を載せるという家ではないものですみません。」
で、僕の返答は以下です。こちらもボカします。
「築42年だとトタン葺きの上に、15年前のリフォームとして某屋根材Xを施工ですね。
某屋根材Xはなんていう素材なのかわかりませんが、塗装がハゲてくると水を含むので、10年に一度の塗装が必要なのです。
一度、含んでしまったらもうダメです。
対策としては
某屋根材Xと下に残っているトタン葺きを撤去
↓
下地の合板を新しいものに交換してゴムアスファルトルーフィングを施工
↓
ガルバリウム鋼板葺きを施工
ってとこです。
瓦だったらまだ何もしなくても良いんですけどね。」
これ、三つの問題があります。
一つ目は新築当時にトタン葺きになっていたこと。当時のトタンは塗装の性能も悪く、簡単に錆びてしまうので、数十年に渡って住むことになる家の屋根材には向いていません。
二人目は某屋根材Xを、トタンに重ね葺きしたこと。某屋根材Xは超大手建材メーカーが作っていた(いる?)屋根材ですが、これも塗装がハゲると一発でダメになります。10年くらいしか持ちません。しかも値段も高い!
三つ目は屋根の勾配が緩いこと。確か二寸勾配くらいでした。勾配が緩いから瓦を使うことができず、だからトタン葺きにしてあるし、某屋根材Xでの重ね葺きになってしまったわけです。そもそも、雨の多い日本では屋根には勾配があったほうが、しっかりと雨を流してくれるので、勾配のある屋根にすることが大切です。勾配の無い屋根をシート防水や鋼板防水で施工するのは、10年に一度の防水工事をするのが大前提になってしまうので、コスト的にも最悪ですね…。
日本は2676年の歴史があります。その間に、あらゆる建材、屋根材、技術を試し、職人たちは風雨や地震に強い建物を作る理論や建材と技術を作り上げました。
東大寺大仏殿や法隆寺五重塔などは、いまだに壮大な実験中と言っても過言ではありません。数百年も壊れない木造なんて、日本の職人技術の高さを表していますよね。
うちも数社の超大手ハウスメーカーの仕事をしたこともありますし、現在もお付き合いさせて頂いているハウスメーカーもあります。
その経験を踏まえて言えるのは、ハウスメーカーと呼ばれる大企業が作る家が、ベストというわけではないかもしれないということです。
はっきり言うと、めちゃくちゃ精度の低いハウスメーカーもあります。本当に。
某屋根材Xのようなワケのわからないものを、平気で売っちゃう上場企業もあります。
もちろん、 とてつもなく良い家を建てるハウスメーカーもあります。
さすがにブログでは書けないこともあるので(-_-;)、直接、メール等で質問して頂ければ、けっこう答えます。
屋根材についてでも、ハウスメーカーや工務店についてでも、地域が違っても全然、構いません。
家を建てるときやリフォームするときは、むしろ知り合いや近所の人には相談しにくいと思います。
そんなときの相談相手として、僕を使ってもらえると良いかなと思います。
ではでは。